【JNF】No,774 α-イオノンは、紫外線による肌のダメージを改善する効果に期待

こんにちは、日本ニュートリション協会です。

今回も最新の海外論文から、興味深いものをご紹介します。

これからの季節、日差しが強くなり、紫外線が気になる時期ですよね。紫外線は、肌のトラブルや悩みの大きな原因となる「光老化」を引き起こします。しかし、最近の研究で、ある成分がこの光老化を抑制する可能性が示されました。

その成分は「α-イオノン」というもので、香料として知られています。中国の研究チームが行った実験では、このα-イオノンを食事から摂取したマウスを使って、その効果を調査しました。その結果、α-イオノンを摂取したマウスの皮膚は、紫外線によるダメージが軽減され、皮膚の健康に良い影響があることが確認されました。

つまり、α-イオノンを食事から摂取することで、紫外線による肌の老化を防ぐことができるかもしれません。これは、これからの季節、紫外線対策にとても有望な研究結果と言えるでしょう。ただし、これはまだマウスを使った実験の段階なので、人間にも同じ効果があるかどうかは、これからの研究で明らかになるところです。皮膚の健康を守るための新たなアプローチとして、今後の研究の進展に期待が寄せられています。

<和文論文>

α-イオノン強化食餌によるマウスの紫外線曝露誘発皮膚光老化の緩和

研究内容

光老化は、皮膚の老化の主な原因で、紫外線に長時間さらされることで引き起こされます。これは肌の乾燥やシワの発生につながります。しかし、栄養介入、特にα-イオノンの摂取は、これらの問題を予防または改善する可能性があります。

具体的には、α-イオノンは、紫外線による肌のダメージを改善する効果があります。これは、紫外線を照射したマウスを用いた実験で確認されました。食事からα-イオノンを摂取したマウスでは、しわの形成、皮膚の乾燥、表皮の肥厚が軽減されました。また、皮膚にα-イオノンが蓄積され、コラーゲン密度が増加し、老化に関連する遺伝子の発現が抑制されました。

これらの結果から、食事からのα-イオノンの摂取が皮膚の光老化のリスクを軽減する可能性があり、皮膚の老化に対する不安や心配を解消するための新たな対策となることが示唆されました。これは、α-イオノンが皮膚の健康と疾患に関連するいくつかの生理学的プロセスおよびシグナル伝達経路に影響を及ぼすことから明らかになりました。特に、p53シグナル伝達経路が重要な役割を果たしていることが示されました。この研究は、食事からのα-イオノンの摂取が皮膚の健康に対する新たなアプローチとなる可能性を示しています。

<英語論文>

Dietary supplementation with α-ionone alleviates chronic UVB exposure-induced skin photoaging in mice

Ruixuan Geng 1 2 3, Seong-Gook Kang 4, Kunlun Huang 1 2 3, Tao Tong 1 2 3

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PMID: 38328833 DOI: 10.1039/d3fo04379g

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38328833/